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2021年9月19日 起き上がり  part1

今回は具体的な起き上がり方について考えてみます。

起き上がり方は、病気や環境によって違いはありますが、ここでは、一般的な起き上がり方法を解説します。

起き上がり動作には、大きく分けて2つの方法があります。

1つは体を真直ぐに起こす方法です(方法1)、もう1つは、横に寝返り、横向きから頭で弧を描くようにして、腕の力を利用して起き上がる方法です(方法2)

方法1の場合は、仰向けから一気に身体を起こす動作になります。これは、仰向けで寝ているときの体の裏面全体が接している部分が、起き上がる際には下半身の裏面へと変わります。姿勢を安定させるためには、接触面から頭や背中が離れると同時に、起き上がるには首を起こし、腹筋を使い身体を上方に持ち上げるなどの大きな筋力が必要になります。健康な人でも、下半身を持ち上げて反動を利用している光景をよく見かけるのはこのためです。大きな無理な力が必要になるため、腰や背中を痛めたり、首を捻ったり痛みを誘発する動作になるため出来るだけ避けたほうが良いと思います。

また、ベッドの柵につかまりながら、同じように腕の力を利用して反動をつけながら上方に起きている方も多くいらっしゃいます。環境や筋力等にもよりますが、やはり、腰を痛めたり、腕を痛めることになりますので、できるだけ横向きから起き上がる方法が良いと思います。

これから寒さも増してくると、朝の起き上がりでぎっくり腰を起こしたり、寝違えをされたりする方が増えてきますので皆さんもくれぐれもお気を付けください。

 起き上がる前に、これから起きるぞ!と自分の身体に伝えることも体を痛めず快適に過ごすうえで大切です。布団の中で伸びをしたり膝の屈伸やつま先を上下させたりすることも有効ですので是非試してみてください。

これから

方法2は、寝返りをしたときの腕の位置により、起き上がるときの支持基底面が変化します。起き上がるときの支持基底面は、肘から手先までの接触面と、横向きになったときの体及び下半身の接触面になります。そのため、腕を横に広げるほど支持基底面が広くなり、頭を持ち上げたときに圧中心点を支持基底面内に収めることが容易になります。
そして、支持基底面内に圧中心点をおきながら起き上がります(重心の位置を高くしていきます)。その際、頭の位置が重要になります。頭を大きな弧を描くようにして起き上がると、小さな腕の力で起き上がることができます。例えば、山を登るときは、まっすぐ登山すると距離は短くなりますが、勾配が急になり大きな力が必要です。逆に、螺旋上に登山すると距離は長くなりますが、勾配が緩やかになり小さな力ですみます。理屈はこれと同じです。
起き上がり動作を介助する場合は、方法2を利用することをおすすめします。この際、ベッドの中央から寝返ると腕をつくスペースが狭くなる(支持基底面が狭くなる)ため、寝返る前にあらかじめ、寝返る方向と反対側に体をずらして、腕をつくスペースを広く確保することがポイントです。
また、起き上がる動作を介助する場合は、動作のすべての過程を介助する必要はありません。できない部分だけを介助することが重要です。頭をちょっと持ち上げることだけでもよいのです。自分の力を使っていただくことで身体機能の維持、向上につながります。
起き上がりが困難な場合は、ベッドの背上げ機能など福祉用具を上手に利用するのも1つの方法です

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